薬物受容体
細胞膜受容体
細胞膜受容体はイオンチャネル内蔵型、Gタンパク質共役型、酵素活性内蔵型の3種類に分類できます。
Gタンパク質共役型受容体
・Gタンパク質とはGTP結合タンパク質のことです。受容体に化学物質によって刺激されるとGタンパク質を介して作用を引き起こします。
・受容体の構造が7回膜を貫通する構造なので、7回膜貫通型受容体ともいいます。
・主にGs、Gi、Gqの3つに分類されています。
Gsタンパク質共役型受容体
β1、β2、H2受容体が当てはまります。
・β1、β2、H2受容体の刺激
→Gsタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼの活性化
→細胞内のcyclic AMPの上昇
→Aキナーゼ(プロテインキナーゼA)の活性化
→生理作用の発現
●コレラ毒素…GsをADPリボシル化して活性体にします。
・コレラ毒素がGαs(Gsのαサブユニット)のArg(アルギニン)残基をADPリボシル化
→Gαsが持つGDPaseの活性消失
→細胞内伝達が持続的に活性化
→アデニル酸シクラーゼは活性化し続けてcyclic AMPが増加
●コレラ毒素…GsをADPリボシル化して活性体にします。
・コレラ毒素がGαs(Gsのαサブユニット)のArg(アルギニン)残基をADPリボシル化
→Gαsが持つGDPaseの活性消失
→細胞内伝達が持続的に活性化
→アデニル酸シクラーゼは活性化し続けてcyclic AMPが増加
Giタンパク質共役型受容体
α2、M2受容体が当てはまります。
・α2受容体
→Giタンパク質の活性化
→Gαiによるアデニル酸シクラーゼの抑制
→細胞内cyclic AMPの低下
→Aキナーゼの活性の低下
→K+チャネルの開口
→過分極
●百日咳毒素…GiをADPリボシル化して受容体からGタンパク質への伝達を脱共役します。
・百日咳毒素がGαiのC末端からCys(システイン)残基をADPリボシル化
→Gタンパク質と受容体の共役が阻害
→細胞内伝達が遮断されます。