2015年9月23日水曜日

薬理学②

薬物受容体

細胞膜受容体

 細胞膜受容体はイオンチャネル内蔵型、Gタンパク質共役型、酵素活性内蔵型の3種類に分類できます。


Gタンパク質共役型受容体


・Gタンパク質とはGTP結合タンパク質のことです。受容体に化学物質によって刺激されるとGタンパク質を介して作用を引き起こします。

・受容体の構造が7回膜を貫通する構造なので、7回膜貫通型受容体ともいいます。

・主にGs、Gi、Gqの3つに分類されています。


Gsタンパク質共役型受容体


 β1、β2、H2受容体が当てはまります。


β1、β2、H2受容体の刺激

→Gsタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼの活性化

→細胞内のcyclic AMPの上昇

Aキナーゼ(プロテインキナーゼA)活性化

→生理作用の発現


   ●コレラ毒素…GsをADPリボシル化して活性体にします。
     
     ・コレラ毒素がGαs(Gsのαサブユニット)のArg(アルギニン)残基をADPリボシル化
 
     →Gαsが持つGDPaseの活性消失

     →細胞内伝達が持続的に活性化

     →アデニル酸シクラーゼは活性化し続けてcyclic AMPが増加

Giタンパク質共役型受容体

 α2、M2受容体が当てはまります。


・α2受容体

→Giタンパク質の活性化

→Gαiによるアデニル酸シクラーゼの抑制

→細胞内cyclic AMPの低下

→Aキナーゼの活性の低下

→K+チャネルの開口

→過分極


   ●百日咳毒素…GiをADPリボシル化して受容体からGタンパク質への伝達を脱共役します。

     ・百日咳毒素がGαiのC末端からCys(システイン)残基をADPリボシル化

     →Gタンパク質と受容体の共役が阻害

     →細胞内伝達が遮断されます。

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